『家庭教師派遣業シリーズ⑥』

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T先輩は私が現れる前までは40万円近く稼いでいたようだ。ここで、家庭教師の契約を1件でどのくらいの報酬がもらえるか?教えておこうと思う。

まずは、基本報酬として、家庭教師1件契約で18000円の報酬が入る。

10件で18万円の報酬となるが、

1ヶ月に10件以上とると、ボーナスとして12万円が追加される。

つまり、1ヶ月10件とれば、基本報酬18万円+ボーナス12万円で合計30万円の報酬がもらえるシステムだった。

さらに15件とか20件とればボーナスが追加されて、過去には1ヶ月に80万円とか稼いだ人もいるようだった。

 

先輩たちも、私も、みんな30万円を目指してやっていた。良いアポは落さず、クソアポも頑張って契約が取れれば決して無理の無い目標だった。

T先輩は、モチベーションが保てない先輩だった。契約を取れないのに後輩の私が契約を取った日は、とてもイライラしていた。それでも夜ご飯はマネージャーと先輩3人とみんなが食べていたから、不機嫌そうなT先輩を見ながら、私の気分もよくはなかった。

そういったT先輩の態度に、マネージャーは怒鳴りちらすことも度々あった。マネージャーはT先輩が私のことをライバル視していることを理解していたようだ。

私は、T先輩の態度に、後輩として諭すつもりは全くなかった。正直、私は私で日々契約を取ることに必死になっていた。

 

ある時、T先輩が全く稼げない月があった。いつもは毎月10件以上は契約しているにもかかわらず、月末になっても1、2件しかとれない状況が続いていた。会社内でもT先輩とすれ違うときも、なぜか私の目をにらみつけるようになっていった。あきらかにT先輩の精神状態はおかしくなっていった。

そんな堕落したT先輩を見かねたマネージャーは、どんな方法を使ったかは分からないが、夜中に2人で出掛かけて行ったことがあった。

私も他の2人の先輩も、T先輩の堕落ぶりには関心があったので会社に残っていた。しばらくするとマネージャーとT先輩が戻ってきた。そしたら、T先輩のテンションが、強烈なハイテンションに変わっていた。今までの落ちぶれ感は何だったのか?というくらい豹変ぶりだった。

次の日から、怒濤の快進撃が続いた。なんと、1ヶ月近く契約がほとんど取れなかったのに、連日契約を取ってくるようになっていった!凄い日は1日に2件契約をするという快挙もなしとげ、完全復活することになった。

このように、家庭教師の契約を取るという仕事は、説明しに行く人のテンションも結果に大きく影響する、説明する内容は毎回一緒なのに、T先輩のように結果がここまで変わってしまうのは、トークは大事だが、それ以上に気持ちが大切だということを教えてくれた。

やる気も落ち込んだ人に説明されても、頼りなくて家庭教師をお願いする気持ちになれないだろう。

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